土器にときめく　考古資料館企画展「いわきの縄文土器」（ｂｙたっく）

写真は左上から時計回りに考古資料館の外観、縄文土器がレイアウトされている。
右、考古資料館館長の木幡成雄（こはたしげお）さんと展示されている浅型土器、
下の２つの写真は２階で行われている遺跡の保存や記録の作業。
月曜日から金曜日まで廊下の窓越しなら見学OKとのこと。

いわき市常磐にある考古資料館では現在、企画展「いわきの縄文土器」が開かれています。
どのような展示がなされているのでしょう。
考古資料館館長の木幡成雄さんにお話を伺いました

いわき市は遺跡の宝庫！
いわき市にはこれまで見つかっただけで１４００もの遺跡があるそうです。
こんなにもあるということは私たちのすぐ近くに、そしてあちこちに遺跡があるということになります。
道路工事や建物建築で土を掘り起こしたら遺跡が出てきたというケースが非常に多いそうです。
土の中から出てきた遺跡は掘り起こし復元するなどして記録、保存するという作業を考古資料館で行っているそうです。

縄文土器ってどんな土器？

写真　考古館入り口から入り左手のロビーに展示されている縄文土器が作られていたころの人々の生活想像図と大型の土器

縄文土器は縄文人が自らの手で作り出した土器です。
その名の通り表面にはより合わせた縄で文様がつけられました。縄を転がしたり押し付けたりすることで文様に変化をつけた他、様々な道具や手法での多彩な表現がみられるようになります。

どんなことに使われた？
まず、鍋として食物を煮るのに使われたそうです。
また、平らな土器は木の実などをすりつぶしてこねる時などに使われたらしいということです。
お酒や水を入れるための土器もだんだんと登場しています。食物を保存するためにも使われたということです。
大型の土器などは亡くなった人の埋葬に使われました。
さらに、祭祀などに使うための土器も作られるようになったということです。
後期になってくると食器系土器の他に非食器系土器も作られていったそうです。

写真左　人の顔や足の形などが表現された特徴的な土器
右上・浅型土器・注ぎ口がある
右下・赤や黒で彩色された土器。赤（ベンガラによる彩色）は祭祀などに用いられたらしい。
黒（うるし）で彩色された土器は中に入れたものは水がもれないようにと塗られたらしい。

土器は埋葬にも使われた。子どもの遺体が家の入り口に埋葬された？

１階ロビー展示での説明

縄文土器が発明されて人々の生活はどう変わった？
食物を煮る事ができるようになって縄文人の食生活は安定したということです。
いろいろなものを食べることができ、より多くの食料が安定して得られるようになったそうです。
狩猟生活で獲物を追い様々な場所へ移動しながらの生活だったのが一定の場所に定住するようになったそうです。
・・・土器の発明により今日の私たちの生活スタイルの基礎が築かれたということでしょうか。

もっと詳しく見たい知りたい方に朗報
今回私は、考古資料館館長・木幡成雄さんにいろいろ教えていただきました。
そして、これまで知らなかったことについて楽しくたくさん学習することができました。
展示についてぜひお話を聞きたいという方は（担当の方の時間が許す範囲で）説明をお願いしてよいそうです。

館長さんからの伝言
「現在、福島県立博物館でも９月１日までの会期で縄文土器についての展示
【縄文ＤＸ】―会津・法正尻遺跡と交流の千年紀―が行われています。全国の貴重な土器が展示されているほか、いわきのベンガラで塗られた深鉢型土器も見ることができます。
さらに、福島市のじょーもぴあ宮畑でも縄文土器の展示が行われています。
ぜひ、あわせてごらんください」

考古資料館へ行くと面白いことがいっぱい！
・まが玉・土器・土偶・はにわが作れる。
古代のわざくらべ大会にも出品できる。
・火おこし体験、弓矢体験ができる。
・キッチンカー「すえつぎCAFE」の麓山高原豚のトロトロカレーやあんバタサンドなども味わえる。

・・・詳しくは いわき市考古資料館のHP をご覧ください

（ｂｙたっく）