蛭田まい(以下蛭田):
いわき市の子育てにまつわる様々なお話を伺う『みんなでサポトーク』。2025年最初のゲストをご紹介します。
すくのび広場を運営する「すくのびくらぶ」代表の前澤由美さんです。前澤さん、よろしくお願いします。
前澤さん:
よろしくお願いします。
蛭田:
まずはすくのび広場についてご紹介いただけますか。
前澤さん:
はい。イトーヨーカドーの4階でいわきNPOセンターがとことん広場を運営しておりまして、その後に引き継いだのがすくのび広場になります。
蛭田:
イトーヨーカドーは今は取り壊されてしまいましたけども、その時、実は私ちょうど子育て中で、なんか子供たち遊んでるなっていうのを見かけてはいたんですよね。ただ、入らずに終わってしまいました。
イトーヨーカドーさんが無くなった今はどうでしょう。
前澤さん:
閉店のお知らせがあった時に、「辞めないでほしい」って地域から言われたのと、子供たちが「次行くところ 用意してね」って言うことで、アンケートを取りましたら、アリオスとか、文化センターとかでやってほしいっていう声があって。その時はアリオスは検討していただいてる時だったので。1年半ほどラトブの3階で(すくのび広場を)こぢんまりと継続しておりました。
蛭田:
そうだったんですね。で、1年半ほどラトブさんの方でやられて、そこから。
前澤さん:
そこからアリオスで『キッズルームプログラム』と言って、子育て支援団体がキッズルームを使って、子育て支援を目的に部屋を使ってイベントをやっていくっていう中の一団体で、毎週水曜日でスタートしました。
週1回だったんすけど、大好評をいただいて、じゃもう1日増やすって言った時に、月曜日は他の団体さんが使わなかったんですね。ほんとは連日だとおもちゃの出し入れも楽なんですけど、他の団体さんの配慮もあって、月曜と水曜をやることになりました。
蛭田:
そこからは、じゃあ今、月曜と水曜、継続している。
前澤さん:
はい。祝日であっても、雪が降っても、もしも来たい人が居たら(ということ)で、一応 キャンセルにはしないで、スタッフ1人だけでも現地に行って来た人を歓迎するというのを貫いてやっています。
蛭田:
ありがたい場所なんでしょうか。意外と天気悪くてどうしようっていう時に、どっか行きたいって思っちゃう時、ありますよね。子育て中とかって。
前澤さん:
川が氾濫したり、災害が起こったりした時も避難所にしてもいい、と。アリオスさんからもそれは助かるっていうことで、喜ばれました。
蛭田:
じゃ、今現在もアリオスさんの方でやられているっていうことで。もう1か所、定期的に開催していますね。
前澤さん:
はい。月曜・水曜がアリオスで、不定期に日曜日。その他にマナビィ館の第2会議室で 毎週金曜日。時間は同じで10時から13時までで、それが祝日だった場合は15時までということでやっております。
蛭田:
はい。現在、その2か所で定期的に運営をされているということで。今、前澤さんに教えていただいたこの2か所、ラジオを聴いているリスナーさんの方の中で、 この場所を聞いて遊びに行ったことがあるって思われた方もいらっしゃるかもしれないですね。
こういった場を作ろうと思ったきっかけってなんだったんでしょう。
前澤さん:
震災の後、人との関わりがあんまりできないのと、 あと、最近のお子さんは、人と話すのが苦手だったりするので、もうちょっといろんな人とコミュニケーションを取りながら楽しく過ごせたらいいなって思っておりました。
意外と親子で関わってると言葉が少なくなったりするので。地域の人に褒められたり、ねぎらってもらったり、あやしてもらったり、そういう刺激も子供にとって大事だろうなって思って。お母さんたちも周りの人にいたわってもらったら頑張れるんじゃないかと。
蛭田:
そうですね。なんか子供にもお母さんにも優しい場だと思いましたね。どうしても、ちょっと孤独になりやすかったりするので。いろんな方の目があるっていうのは幸せだなと思いますね。
今、任意団体として「すくのびくらぶ」っていうのが設立されているんですね。これっていつだったんですか。
前澤さん:
いわきNPOセンターがイトーヨーカドーで運営していた後に引き継いだ時からになります。すくすくのびのびと遊んでほしいと思ってすくのびってつけたんです。
最初すくのびひろばとしていわき緊急サポートセンターが運営してたんですが、利用者さんやヨーカドーの方たちから名前が同じがいいって言われて、任意団体のすくのびくらぶってしました。だから今、緊急サポートセンターのように、急に支援をするのが苦手だけど、ひろばは大好きで。っていう風になってます。スタッフも分かれていたり、共通してたり色々ですけど、すくのびひろばの運営団体はすくのびひろばになっています。
蛭田:
震災後に外に遊びに行くことができなかった時期っていうところで、なんかなかなか外遊びができる、できずにいた子どもたちに向けてのがきっかけだったっていう感じなんですかね。
このすくのびひろばの方なんですけども、やっぱりこのマニュアルがないっていうところがいいですよね。
前澤さん:
はい。すくのびひろばでは、保育士さんをメインに資格を持ったスタッフたちがいるんですが、それぞれ同じ資格を持っていても、良さとか得意分野とかな考え方、保育観・価値観とかも 違います。そのスタッフさんの一番いいと思ってることを最大限に生かしてほしいなって思うので、広場の代表としてこうあるべきって言わないことにしています。
だから、1人1人のスタッフさんが、自分のやりたいことで、みんなのためにやってみたいことを、ぜひこう積極的にやってもらって、うまくいかないところは周りの人に助けてもらったり、感想を聞いたりしています。マニュアルがあることで、その能力を抑えないようにっていう風に思って。
蛭田:
なんて素晴らしいんでしょう。マニュアル通りにってなると制限も多くなるでしょうから、子どものびのびですけども、大人の保育士さん側ものびのびとね、なんか向き合える時間になりますね。
前澤さん:
はい。決まっているのは、アレルギーのお子さんがいたら困るので、飲食は禁止にすることと、 あと感染対策としてオムツ交換は別なお部屋のおむつ交換のところでお願いしています。
蛭田:
命の危険というか、そういったところ以外はもう大丈夫だよっていう風にね、大きく見てくださってるということなんで。
前澤さん:
あと、面白いのが、お家からお気に入りのおもちゃを持ってきてもいいということにしています。
蛭田:
いいですね、それ。
前澤さん:
でも、忘れないで持って帰ってね、あと、寄付してもいいよって言ってます。
あと、どうしても泣くほど気に入ってたら、貸し出しもしています。1週間ぐらいで持ってくればいいよって。
蛭田:
結構ね、このおもちゃを持って帰りたいって泣いてる現場も見かけますね。ありがたい、そのシステムは。
前澤さん:
ただ親がこうしたいって言うんじゃなく、本人が伝えた場合だけ。
蛭田:
なるほど、そこも本人の自主性に任せるんですね。親御さんが言ってきた場合はどうするんですか。
前澤さん:
よく多いですね。子供の代わりに色々おっしゃる方はね。そういう時は、「特に気に入ったんだね。また遊ぼうね」みたいにするんだけど、(お子さんに)「自分で頼んでみたらどう?」ってスタッフが言うと、別のスタッフに「持って帰りたいです」って(お子さんが自分から言う)。それから「じゃあ貸してあげるから持ってきてね」って言います。「自分で言えてよかったね、 言えたから、聞いてもらえたんだね」「言わなかったら誰もわかんないもんね」って。
普通は貸してもらえないけど、ここはちゃんと言って伝えてくれた人には特別にそういうこともできます。ぬいぐるみ持って帰る子もいます。
蛭田:
そうなんですね。なんかその子の自信になりますね。言えたから借りれたんだっていうね。
まだまだお話伺っていきたいところなんですが、お時間が来てしまいましたので、今月、このすくのびひろばについて色々お話伺っていこうと思いますので、前澤さん、今月1ヶ月よろしくお願いいたします。
前澤さん:
はい。よろしくお願いいたします。
蛭田:
みんなでサポトーク。今日はすくのびひろばを運営する「すくのびくらぶ」代表の前澤由美さんにお越しいただきました。ありがとうございました。来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>