蛭田まい(以下蛭田):
いわき市の子育てにまつわるさまざまなお話を伺うみんなでサポトーク。4月のゲストをご紹介します。いわき市 勿来・田人地区保健福祉センター 家庭相談員小松智子さんです。よろしくお願いいたします。
小松さん:
よろしくお願いします。
蛭田:
さあ、先週は、家庭相談員というお仕事とはなんぞやというお話を聞かせていただきました。
学校にいらっしゃるスクールカウンセラーとはまた別の対応ができるよっていうお話をしていただいたんですが、2週目となる今回はどんなお話を聞かせていただけるでしょうか。
小松さん:
朝日新聞社で出してる「AERA」という雑誌に、「不登校親の苦悩」という巻頭記事がありました。
不登校の状態のお子さんってなると、子どもたちにスポットが当たりがちなんですが、そういうお子さんを抱えた親御さんの苦悩にスポットを当てた記事って珍しかったので、ちょっとご紹介したいと思います。
蛭田:
お願いします。親目線でっていうのはなかなか珍しいですね。
小松さん:
お家の方って、不登校の状態を発信しづらいところがあるので、客観的に統計とか数とか状態とかをこういう記事という形にして読んでもらえるっていうのは大事なのかなって。不登校34万人っていうタイトルなんですけれども、そんなに(多い)って、思うぐらいの数だとは思います。
蛭田:
そうですね。この数字だけ見ると、衝撃的というか、多いんだなっていう印象ですね。
小松さん:
あと、その不登校の状態のお子さんは、小学生が10年で5倍っていう数字もあります。低年齢化っていうのって、ほんとに自分のうちのお子さんが不登校気味になったらそれでわかりますけど、そうじゃないと数ってとてもわかりにくいかなと思って。
蛭田:
低年齢化してるっていうのも、今初めて知りました。
小松さん:
こういう風に具体的に統計をとった記事って本当にないので。棒グラフを見ると、小学生の増加も結構すごいっていうことがわかります。
蛭田:
そうなんですね。小さいお子さんなので、親御さんの大変さだったり、こう、苦悩っていうのもまた大きくなってくるんでしょうね。
小松さん:
質が変わってくる感じですね。AERAの14ページの記事は、親の5人に1人が不登校で離職っていう、ちょっとビックリするような数字。結局、低年齢化すると、1人では置いておけない。お家に子供たちだけで置いておけないっていう事態が生じてしまって、そこに核家族化もあって、家族の構成の人数も少ないですし、そうすると仕事をセーブしたり、減らしたり、あるいは離職したり(となる)。
当事者の6つの壁ってあるんですけど、当事者間の壁、不登校の親御さん同士でも、この子とうちは違うかなとか、なかなか連帯できないっていうのと、次は夫との価値観の壁、それから、仕事との両立の壁。あと、経済的負担の壁。これはリアルに聞いたことはあるんですけど、やっぱり、フリースクール等も、学費を払っている学校の段階だと、二重に学費がかかってしまうみたいなことも出現するので。それもやっぱり壁なんだろうなということで。あと、低学年では、1人で置けない。それから中学生だと、
小松さん:
進学とか進級とかどうしようっていう、その6つの壁がある、と。その親目線ですごくわかりやすく書かれています。
ママ友さんとも喋れない、大きな声では言えないんだけれども、気分の落ち込みを感じてる人が6割近い、孤独だっていう気持ちの人が54パーセント、そして離職した方が20パーセント近いっていう、このリアルな数字はやっぱりすごく重いと思うんです。そういう目線での記事があまりにも、マスメディアにもなかったかなって思います。
蛭田:
なんか色々、もう全てが初めて聞くようなことばかりで。当事者間のその壁って最初おっしゃいましたけども、そこもやっぱり、「うちは何年」「いやうちは数か月なんだ」とかって(期間の差も)多分そこから違うからってなっちゃったりして。
小松さん:
それは壁になるかと思います。不登校の年齢が低いほど親の離職率が高くなるっていう囲み記事もありまして、そうなんでしょうねってすごく思いましたし、そこで経済的負担がっていう辛さはリアルに迫ってくるのかなっていう風に思います。
蛭田:
支払いの額は増えていくのに、離職してしまって収入がってなると、本当に生活に大きな悩みになりますよね。
小松さん:
そうですね。で、【不登校の子】っていう言い方をあえてずっとしてないんですけど、不登校の【状態】の子。子供は変わるので。
後半の記事には、中高生に焦点を当ててるんですけれども、進路の選択肢は増えているんだよっていう記事があって。種類が増えたんじゃなくて、様々な道があるんだよって生徒や保護者にも伝わって、現実的な選択肢になっているっていう、今のリアルな進学の記事もありまして。通信制の高校はいわきにも2つありますし、いわきから茨城の通信制に通うとかいう選択肢も全然あります。通信制の高校は全国に分校があったりして、非常に選択肢は今じりじりと増えていると思います
蛭田:
選択肢が増えることで勉強は続けられるっていうのは、すごくいいですね。
小松さん:
将来何がしたいかなっていう目的のために、やっぱりちょっとこの先の学校も行きたいってなるっていう風な声もある。
あと、お友達、友達との関わりもあると思うので、ぜひ、この選択肢が増えてるっていうのに、ほんとに目を向けてほしいっていうか。
この記事、最初のその衝撃の6つの壁はあったんですけれども、でも、やっぱり配慮や選択肢は増えているなというふうに、非常に読ませてもらって思いました。「今、学校に通えていなくても、色々なことを今からでも学べるし、新しい価値観も見つかると思う。悩んだり迷ったりしている状態も悪く思わなくていいのかな」っていう、一度不登校の状態になって復活した方の発言があって、その今の状態が全てではない、変わっていくことができるっていう、その希望の持てる記事になってて、とても分かりやすくまとまっていて、ぜひちょっとご紹介したいと思って。
蛭田:
これは色々びっくりする内容ですね。AERAってすごく有名な雑誌ですけども、小松さんはバックナンバーとして購入されたっていうことで、一般の方も、買えますよね。
小松さん:
買えると思います。600円ぐらいの雑誌ですので。
蛭田:
表紙にはTM NETWORKさんが載っています。2025年の3月3日付け、No.11というものになるので、もし気になった方はぜひインターネットなんかで検索していただけると購入できるんじゃないかなと思います。
小松さん、ほんとに貴重な記事を紹介していただいて、ありがとうございました。あっという間にお時間となりましたので、今日はこの辺で。
みんなでサポトーク。今日は、いわき市 勿来・田人地区保健福祉センター 家庭相談員 小松智子さんにお越しいただきました。ありがとうございました。
小松さん:
ありがとうございました。
蛭田:
来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>